セルロースエーテル天然セルロース(精製綿、木材パルプなど)から得られる各種誘導体の総称です。得られた製品はセルロースの下流誘導体です。エーテル化後、セルロースは水、希アルカリ溶液、有機溶媒に溶け、熱可塑性を有します。セルロースエーテルには多くの種類があり、建設、セメント、塗料、医薬品、食品、石油、日用化学品、繊維、製紙、電子部品などの業界で広く使用されています。置換基の数に応じて、単一エーテルと混合エーテルに分けられ、イオン化に応じて、イオン性セルロースエーテルと非イオン性セルロースエーテルに分けられます。現在、イオン性セルロースエーテルのイオン製品は、生産技術が成熟しており、製造が容易で、コストが比較的低く、業界の障壁が比較的低く、主に食品添加物、繊維助剤、日用化学品などの分野で使用され、市場の主力製品となっています。
現在、世界で主流のセルロースエーテルはCMC、HPMC、MC、HECその中でCMCの生産量が最も大きく、世界の生産量の約半分を占め、HPMCとMCは世界の需要の約33%を占め、HEC世界需要の約50%を占め、市場シェアは13%です。カルボキシメチルセルロース(CMC)の最も重要な最終用途は洗剤であり、下流市場需要の約22%を占めています。その他の製品は主に建材、食品、医薬品の分野で使用されています。
下流アプリケーション
これまで、わが国のセルロースエーテルの日用化学品、医薬品、食品、コーティングなどの分野での需要の発展が限られていたため、中国におけるセルロースエーテルの需要は基本的に建材分野に集中していました。今日に至るまで、建材業界は依然としてわが国のセルロースエーテル需要の33%を占めています。わが国のセルロースエーテルの建材分野における需要は飽和状態にあり、応用技術の発展に伴い、日用化学品、医薬品、食品、コーティングなどの分野での需要が急速に成長しています。例えば、近年、セルロースエーテルを主原料とする植物性カプセルや、セルロースエーテルを使った新興製品である人工肉などは、需要の見通しが広く、成長の余地があります。
建材分野を例にとると、セルロースエーテルは増粘性、保水性、遅延性などの優れた特性を備えているため、建材グレードのセルロースエーテルは、レディーミクストモルタル(ウェットミックスモルタルとドライミックスモルタルを含む)、PVC樹脂などの製造、ラテックス塗料、パテなどの性能向上に広く利用されており、建材製品の性能向上に大きく貢献しています。我が国の都市化レベルの向上、建材産業の急速な発展、建設機械化レベルの継続的な向上、そして消費者の建材に対する環境保護要求の高まりにより、建材分野における非イオン性セルロースエーテルの需要が高まっています。第13次5カ年計画期間中、我が国は都市のスラム街や老朽住宅の改造を加速し、都市インフラ建設を強化しました。その中には、集中したスラム街や都市村の改造を加速し、古い住宅街、老朽化した古い家屋、未完成の住宅の全面改造を秩序正しく推進することが含まれます。2021年上半期、国内の住宅新築着工面積は7億5,515万平方メートルで、5.5%増加しました。住宅の完成面積は3億6,481万平方メートルで、25.7%増加しました。不動産の完成面積の回復は、セルロースエーテル建材分野の関連需要を牽引するでしょう。
市場競争パターン
わが国は世界有数のセルロースエーテル生産国です。現段階では、国内の建材グレードのセルロースエーテルはほぼ国産化されています。中国セルロースエーテル分野のリーディングカンパニーは山東河達です。その他の国内主要メーカーには、山東瑞泰、山東易騰、北天浦化工、易成セルロースなどがあります。コーティンググレード、医薬グレード、食品グレードのセルロースエーテルは現在、主にダウ、アッシュランド、信越化学、ロッテなどの外資系企業によって独占されています。山東河達などの1万トン以上の生産能力を持つ企業に加えて、1,000トン規模の非イオン性セルロースエーテルの小規模メーカーも数多く存在します。高級食品および医薬グレードの製品です。
セルロースエーテルの輸出入
2020年、海外での流行による外国企業の生産能力の低下により、我が国のセルロースエーテルの輸出量は急速な成長傾向を示しました。2020年のセルロースエーテルの輸出量は77,272トンに達する見込みです。我が国のセルロースエーテルの輸出量は、セルロースエーテルわが国のセルロースエーテル産業は急速に成長していますが、輸出製品は主に建材用セルロースエーテルであり、医療用・食品用セルロースエーテルの輸出量は非常に少なく、輸出製品の付加価値は低いです。現在、わが国のセルロースエーテルの輸出量は輸入量の4倍ですが、輸出額は輸入額の2倍未満です。ハイエンド製品分野において、国産セルロースエーテルの輸出代替プロセスには依然として大きな発展の余地があります。
投稿日時: 2024年4月26日