天然物から作られたメチルセルロース(MC)
メチルセルロース(MC)は、植物細胞壁に含まれる天然ポリマーであるセルロースの誘導体です。セルロースは地球上で最も豊富な有機化合物の一つであり、主に木材パルプや綿繊維から得られます。MCは、セルロース分子中のヒドロキシル基(-OH)をメチル基(-CH3)に置換する一連の化学反応によってセルロースから合成されます。
MC自体は化学的に修飾された化合物ですが、その原料であるセルロースは天然由来です。セルロースは、木材、綿、麻、その他の繊維植物など、様々な植物から抽出できます。セルロースは、不純物を除去し、MCの製造に使用可能な形態に変換するための処理を受けます。
セルロースが得られたら、エーテル化によってセルロース骨格にメチル基が導入され、メチルセルロースが生成されます。このプロセスでは、セルロースを水酸化ナトリウムと塩化メチルの混合物で制御された条件下で処理します。
得られたメチルセルロースは、白色から淡白色の無臭・無味の粉末で、冷水に溶けて粘稠な溶液を形成します。増粘剤、安定化剤、フィルム形成剤として、食品、医薬品、パーソナルケア、建設など、様々な産業で広く利用されています。
MC は化学的に修飾された化合物ですが、天然セルロースから得られるため、多くの用途において生分解性があり環境に優しい選択肢となります。
投稿日時: 2024年2月25日